2013年1月27日(日) 天気:快晴

午後2時~4時  世田谷区玉川区民センターにて

 行ってきました。400人収容ホールに、約300人は入っていたでしょうか?!演題からして聴衆のほとんどは女性かと思っていましたが(実際そうだと思いますが)、想像以上に男性がいて、良い傾向なのだと思いました。

内容は、前半1時間が、信友直子さんが作成した「ザ・ノンフィクション」で放送されたドキュメンタリービデオの鑑賞。 後半は、彼女の講演会でした。

(作品の解説)

 

『おっぱいと東京タワー~私の乳がん日記』

 

2009年12月に放送され、ニューヨーク・フェスティバル2011にて銀賞を獲得した作品。

 

45才、独身のテレビディレクター・信友直子。東京大学を卒業後、テレビ番組の制作会社で息もつかずに働き続けた。仕事は充実、やりがいを感じていた。反面、結婚&出産のタイミングをとらえそこね、女性として負け犬かも、と自覚しつつあった。

 

彼女は、43才の時、不規則な生活がたたって子宮筋腫になり、子宮を切除。子供を産めない体になった。44才の時には、旅先のインドで列車事故にあい、骨盤骨折の重症を負った。そして45才、彼女は乳がんを宣告される。何度も命拾いしてきたが、今度こそが運の尽きか・・・。彼女は死を意識しながらも、がんと戦う自分の姿をカメラに記録していく。

 

抗がん剤治療から摘出手術に至るまで、女性として、人間として、苦悩と不安を繰り返しながらも成長する人の姿を捉えた感動的作品。

 


語り 石田ひかり
構成・演出・プロデューサー 信友直子

作品、初めて見ましたが、彼女のブログhttp://nobutomo1214.blog8.fc2.com/blog-entry-234.html

をほとんど読んでいたためか、インドでの事故やご両親のこと以外は、「原作読んでから映画を観た」というような感じでした。「東京タワー」と乳がんの関係とは?と思っていたら、彼女の入院先の虎ノ門病院の病室から「東京タワー」が良く見え、しかも看病する母親が、検査や手術をひとつひとつクリアするたびに病室の窓越しに見える東京タワーに向かって祈るような気持ちで挨拶していたからなのでした・・・。

この気持ち、よくわかる~、告知の後は、各種検査、手術、病理診断、…ひとつひとつ「クリア[E:upwardright]」していく感じでしたもの。

彼女の場合、術前抗がん剤がとても良く効いて、がんのしこりは、エコーで判別つかないほどに消滅してしまいました。が、それでも、手術(部分切除)というドクターに「やっぱり切らなくてはならないでしょうか?(どうしても駄目?)」と食い下がっていたところは印象的。

手術直前、泣きながら、デジカメを自分の胸に向けて、シャッターを押していた。結果的に、部分切除後の乳房は思ったよりも変化がなく、安堵とともに、執刀医に握手を求めていた姿に、この人は「ストレートタイプ」なのだな…(ドキュメンタリーの被写体にも向いている)と思いました。(同じ経験をした自分はそうじゃなかったから[E:hospital])

講演の中で、闘病の3大気がかり、は

「転移」 「抗がん剤」 「乳房切除のこと」

と言ってました。 彼女は「転移ナシ」「抗がん剤=予想以上の効き目」「最小の部分切除」という恵まれた結果を得られていました。が、もしも、この結果が、これと違っていた場合、どのような状況までだったら、番組制作出来たのでしょうか?

自分をドキュメントしていく「欲深さ」がある、と本人談。

しかし、一方で、「まだ、嫁入り前なので、まだ見ぬ「恋人」に、この乳房で「引かれ」たらどうしよう」、と苦悩している。

髪の毛(脱毛&ウイッグ)のことも、手術のことも、「案ずるより産むが安し」ということわざにあるような体験だったと振り返っていました。確かに、抗がん剤の副作用や手術のことをいろいろ考えているとき、って精神的に弱りそうです。

そんなこんなも、5年経過すると、「のど元過ぎれば熱さ忘れる」に近い心境で、自身が強いからではなくて、人間とはそういうもの、ではないかと感じているそうです。(術後まだ数カ月しか経ってないけど、能天気ゆえ同感!![E:happy01])

闘病生活を通じて、親の存在のありがたみをしみじみ感じた。

15年暮らしていながら、近隣を散歩する(ような生活の中に精神的ゆとりが今まで皆無であった)ことにより、自宅マンションからすぐ近所の「絶景スポット」を初めて知ったり、という体験=目からウロコ (これって、NK細胞ふえますよね、きっと[E:eye])

仕事柄、周囲や先ばかり見て、不満や焦りを感じる生活から、

乳がんは「立ち止まって周囲を見回すことを教えてくれました」。

結果、「幸せのハードルが低くなって、ハッピーと思える度合いが増えました」

以上のような話があり、続く「質疑応答」には、

Q: 「乳がん患者である友人」への接し方のアドバイスください

A: 乳がんには、タイプがいろいろあり、また癌患者自身の性格さまざまなのでなかなか「これ」という答えがないのです。

Q:食事療法はなさいましたか?

A:しませんでした。ドクターからは、バランス良く食べていれば良い、といわれました。

また、質問ではない、「感想のような意見」のあとに、

スポーツジムに数年通い、お風呂にも入り(もちろん乳房に傷跡あります)、同姓のジム仲間には当然見られていたということで、今回の「講演会」をPRしたら、全員から「えーっ!!まったく気づかなかった!ホント??え、ビックリ!!」というような調子で受け取られ、「ああ、世の中の人々は思うほど、他人を観ていないんだなー」と感じたそうです。(そうそう[E:wink])

最後に、彼女と私はなんと同じ年齢でした。 子宮全摘手術を受けた経験あり、というところも一緒、ま~アタマの中身は全然違うと思われますが[E:smile]、親近感、感じながら会場を後にしました。

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