2013/09/19

彩の国さいたま芸術劇場へ、「ヴェニスの商人」を観に行きました。

チケットが取れず、ほぼ諦めかけていた矢先、「見切り席」が売り出されていることに気づく。

「見切り席」とは、席が、端っこだったりして、舞台すべてが見えない(可能性がある)という席

そのため、料金も、¥9000→¥7000 お得になっている[E:happy01]

今回ゲットした「見切り席」…ホントに最後の1席ということで、選択の余地なし、手続きに手間取ると(インターネット上では多数の人がアクセスしているので)、チケットは入手不可能、という排水の陣、みたいな心境のなか、¥7000の価値があるか、劇場の座席図とにらめっこしながら、「決定」をクリック! 座席は、 1階 RA列の4番、要するにR(右側)扉から入って舞台のサイドに1~2列作られたサイド席でありました。

今までの、経験で(舞台も音楽会も)、この席なら、きっと大丈夫、チケット入手 [E:coldsweats01]

当日、座席は、見晴らし良好、目の前の手すりにつかまって身体を乗り出せば、舞台の最右端も観ることが出来る満足のいく席でした。[E:happy01]

さて、前置きが長くなりましたが、「さいたま芸術劇場」なかなか素敵な劇場です[E:heart04](近代ヨーロッパ?の芝居小屋の雰囲気が感じられます。世田谷パブリックシアターに似てる?)

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お天気も良く、思えば、本日は「仲秋の名月」の日でもあったので、このまま夜までいれば素晴らしい満月&劇場(ライトアップされた?)がみられたのでしょうね~

残念ながら、13:00開演の部でした。

(ここは、我が家からは遠いため、夜の部観るのは覚悟が要りそう…[E:coldsweats02])

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観客は、ほぼ満席。舞台正面の最前列から5~6列は恐らく「猿之助ファンの皆様」とおぼしき御一行さまでした。品の良い年配層中心。

(トイレ休憩のとき、並んでいたら、「なんだか私、まだ、どうしても『亀ちゃん[E:heart01]』って呼んでしまうわ…」などと奥様コトバで話している婦人連れいましたし。)

それにしても、猿之助、素晴らしかったです。 こちらは7/28に歌舞伎(猿之助襲名披露)を観に行った記憶も薄れていないのにhttp://pulauseribu.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-d68d.html

シェークスピアの舞台俳優になりきっていました。 ヴェニスの商人、言わずと知れた「高利貸しのシャイロックが、アントーニオの胸の肉1ポンドを担保にする話」ですが、そもそもの借用者バサーニオの使用目的はポーシャへの求婚費用、アントーニオが返済不能になり裁判に持ち込まれた際、利発者のポーシャは、判事に変装して、この裁判を乗り切るというもの。

個人的には、シャイロックもシャイロックだけれど、「してやったり!」のポーシャその他もろもろ、にももろ手を挙げて共感出来ない、「う~ん、なんだかなァ」という作品自体がそれほど好きでもない、私の感情に引っかからないものでした。

が、ここで、猿之助と演出の蜷川幸雄氏は、共に「シャイロック」に肩入れする舞台に仕上げてきます[E:sign03]

朝日新聞夕刊(9/8)文化面でも、「法律上の正論は彼なのにね。多勢に無勢で詭弁が喝采を受け、彼は罪人にされてゆく」と猿之助はきっぱり言い切っています。(かっこいい)

ホント、その通り。お金の貸し借りは、法律を守らなくてはいけません[E:confident]

猿之助は、「劇場入り口のポスター」では、「市川猿之助」で写っていましたが、シャイロックとして登場してきたその姿は、ユダヤ商人で守銭奴老人そのもの、の風貌と目つき(目で演技が出来るのはさすがに歌舞伎役者)で、最初から観客心を鷲づかみにされました。

この物語の中で、シャイロックは面白くないことばかり。(娘もキリスト教の若者と駆け落ちしてしまう)怒りや苦しみを抱えた「苦悩の表情」…メイクはしていても、おや?誰かに似ているなあ、と、しばし見つめていて気づいたのが、今期視聴率1位のテレビドラマ:半沢直樹、に敵役として出演している香川照之でした。 やはり、従兄ですねー、似てる似てる。

劇場=素敵、と述べましたが、舞台作りも当時のヴェニスを上手く、カッコよく作りこまれていて、さすが[E:lovely] 見ごたえありました。 舞台から客席に降りてくる引っ込みは、まさしく歌舞伎の花道のノリ、で「苦悩に満ちたシャイロック」にさかんに拍手(歌舞伎ファン?)があるのは、「[E:gawk] え~っ!?、今ってシャイロック、のたうち回る苦渋の中なのに…」とさすがに違和感。 拍手は猿之助にだけ起きる、というのも、他の役者さんたち、やりにくいわーって感じたりしているんだろうな~などと思いました。

大詰め、改宗(ユダヤ⇒キリスト教)を強制されたシャイロックが無言で演技をします。これ、完全にやられました。涙涙でした。

今回の座席、前にも後ろにも人がいないので、思わずスタンディングオベーション[E:up]

見切り席、も悪くないと改めて思えたこのひととき(スタンディング=立ってしまうと立ちあがりたくない?かもしれない直後の観客に迷惑なのです)立ちあがって拍手を続けていたら、なんと、こちらに向けて挨拶している役者さんたちの中央にいる猿之助と、目が合ったような…m9(^Д^)プギャー

ミーハー気分で帰路につき、家までの長い道のりも心がルンルンしていました。

それにしても、役者ってスゴイ。 エネルギー半端ない[E:shine]

亀ちゃん(猿之助さん)、同時代に生きていられて幸せです。

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 芝居に感動して、少し「ぼーっ」としながらポスター撮影したり、記念写真撮る方のお手伝い(シャッター押してもらえますか?ってよく声掛けられるタイプ)したりとのんびり劇場を後ににたら、もう、このような状況。「そして誰もいなくなった」であります。ヤレヤレ ┐(´(エ)`)┌

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