2015/08/27

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老々介護の母を気分転換に連れ出し、彼女にとっては久しぶりの映画館で、ご希望の映画「日本のいちばん長い日」」を見る。
[E:movie]
監督:原田眞人
原作:半藤一利
出演:役所広司、 山崎努、堤真一、 本木雅弘、 松坂桃李、神野三鈴、キムラ緑子、矢島健一、木場勝己、麿赤児、戸田恵梨香。松山ケンイチ、野間口徹。蓮佛美沙子、中村育二、金内喜久夫、中村靖日、大場泰正 ほか
あらすじ:

1945年7月。太平洋戦争での戦況が悪化する日本に対して、連合軍ぐんんぞうはポツダム宣言の受託を迫る。連日にわたって、降伏するか本土決戦に突き進むかを議論する閣議が開かれるが結論を一本化できずにいた。やがて広島、長崎に原爆が投下され、日本を取り巻く状況はさらに悪くなっていく。全国民一斉玉砕という案も取り沙汰される中、阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)は決断に悩み、天皇陛下(本木雅弘)は国民を案じていた。そのころ、畑中健二少佐(松坂桃李)ら若手将校たちは終戦に反対するクーデターを画策していた。

(以下、ネタバレあり)

この映画、「松竹」が力を入れて作っているらしいことは、映画の予告編(をさらに、歌舞伎役者の尾上松也くんが紹介するという形)を見て、「戦後70年」「松竹120周年」の記念に予算かけて作っているらしいことは知っていました。

今回は、チケット購入者全員に一枚紙を折りたたむ形の「終戦の詔書(保存版)」が配られ、一緒に受け取った母は喜んで見ていました(これ「お父さんに見せよう」などと言って)それが、以下

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裏面には、「現代語訳」が付いていました。これがないと私には解釈無理[E:sweat01]

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1967年にも同じタイトルの映画が作られています(この時の主演は三船敏郎)。
Wikipediaは便利で、この時の映画と今年のデータを比較できて興味深かった。
原作は、半藤一利(彼のノンフィクションを基にした群像歴史ドラマ大作)
それが、1967年版は、「大宅壮一」となってます。
そのわけが判りました。 当時、文藝春秋社に勤めていた半藤氏は、戦争の体験談を多くの方々から聞き集め(会社主催の語る会の司会なども担当)、ノンフィクションの本を記した際、知名度の高い「大宅壮一」氏の名前を使った方が「売れる」=「世間に読んでもらえる」と判断したから、ということです。半藤氏自身も戦争体験者(墨田区あたりに在住・・・幼少の王貞治さんが近所だったらしい。1945年3/10の大空襲の際は、逃げ回って中川に飛び込み、一命を取りとめた経験あり)なので、何しろ、戦争にかかわることには強い思いがおありだったのでしょう。
[E:movie]
私は、1967年制作の方は見ていませんが、主演(阿南陸軍大臣役)が三船敏郎さんだったということで、役所広司さんは、プレッシャー(連合艦隊司令官:山本五十六の役でもそうで今回2回目)だったらしい。同じように、こういった映画で出てくる「天皇陛下」の役には「歌舞伎役者」が多く選ばれるのに、今回は本木雅弘さん。(1967年版の昭和天皇役=松本幸四郎さん。私が見た中では、一昨年、「終戦のエンペラー」の時の片岡孝太郎氏の演技は半端なく凄かった←ソックリ[E:sign03])彼も、プレッシャーだったそうですが、義母の樹木希林さんに背中を押されて引き受けたそうです。
 そういったリメイク作品に付きもののプレッシャーにも負けず、選ばれた豪華キャストの皆さん俳優陣は、大熱演でした。
青年将校(畑中)役の、松坂桃李くん、若いがゆえに怒りが半端なく、文字通り「鬼気迫る」演技。(このまま、スーパーサイア人になってしまいそうな?[E:happy02] )。演技とは知りながら、この人を怒らせたら本当に怖いかも、と思いました。
戦後(70年)の今だから客観的に見て、青年将校の立場(クーデター失敗)を思うと、映画の主役の阿南大臣や鈴木首相が尽力している様子を見守りながら、暴徒と化していく青年たちには彼らの立場や苦悩があったことを思い、歴史は、紙一重で、無条件降伏したからこそ、本土決戦は回避され、そこから平成の今までの時の流れ(日本の復興)があるのだと何だか、知ってることながら、改めて涙が頬を伝わりました。
[E:movie]
それにしても、映画館(某シネコン)の、この映画のスクリーン(100席前後)は、なんと高齢者の多かったこと・・・。今日は、父が居ない(別のところでリハビリ)にもかかわらず、上映中、なんとなく「父の世代が使うような整髪料の香り」がして、前の列のお爺さんは、ヨロヨロ立ち上がり出て行く(多分トイレ)など、およそ、ジュラシックワールドを見た時とは違う「空気」の中で、いつもより長め(「上映時間=2時間16分)の映画を見ました。

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