2015/11/24
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明日、千秋楽を迎える、ロングラン公演のスーパー歌舞伎second「ワンピース」
やっとのことで本日、行って参りました。
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初日(10/7)に観た方々の「劇場へ向かう服装」が初秋な感じだったら、今日は初冬モード、です。(気温は上がれど風が冷たい)
私が劇場へ到着した頃、入り口正面に大型バスが2台停車し、中から制服姿の高校生(共学)がどんどん降りてきて、演舞場入り口左右に掲げられた、ワンピース(アニメ)の看板をデジカメや携帯で次々に撮影している。
「近隣(直線で500mくらい?)の歌舞伎座とともに『撮影スポット』になっているのかしら…」などと呑気な気持ちで見ていたら、なんと彼らも劇場へ・・・(スゴっ・・・修学旅行でスーパー歌舞伎〜いったいどこの高校なんでしょ・・・と[E:#x1F68C]バスの正面に廻って学校名をチェック→鳥取城北高校、という学校でした)
この高校生たちとは、終演後、出口付近でまた一緒になっているのですが、
「チョー感動した」「泣けた〜」「ワンピースやばすぎ」
などと口々に言いながら表情が上気しているので、「あ、なんかカワイイ」などと思えて、帰宅後ネットで学校HPを見てみたら、どうやらこの日は、旅行の初日だった模様。その内容が濃い〜のです。朝、空路で東京へ、パナソニックセンター・リスーピア→東証アローズ→東大(赤門前と安田講堂前にて集合写真)→ホテルでランチ→早稲田大学(握手すると合格するという言い伝えがある坪内逍遥像と握手)、そして午後4時半から9時まで新橋演舞場で歌舞伎(オリジナルワンピース弁当付き)
なんという修学旅行でしょう、思いがけず、びっくりぽんでした(・_・)....?

さて、話を戻して歌舞伎ワンピース。予習してあっただけに、登場人物がよくわかり、場面展開も含めて、楽しめた観劇になりました。
[E:maple]
原作:尾田栄一郎
脚本・演出:横内謙介
演出:市川猿之助
(◎´∀`)ノ
出演:
市川猿之助…ルフィー、ハンコック、シャンクス
市川右近 …白ひげ
坂東巳之助…ゾロ、ボン・クレー、スクアード
中村隼人 …サンジ、イナズマ
市川春猿 …ナミ、サンダーソニア
市川弘太郎…はっちゃん、戦桃丸、ニューカマー・スー
市川寿猿 …アバロ・ピサロ、ガープ 
市川笑三郎…ニョン婆
市川竹三郎…ベラドンナ
市川猿弥 …ジンベエ・黒ひげ(マーシャルDティーチ)
市川笑也 …ニコ・ロビン、マリーゴールド
市川男女蔵…マゼラン
市川門之助…つる
市川段四郎…ガープ
福士誠治   …ポートガス・D・エース
嘉島典俊 …ブルック、赤犬サカズキ、ニューカマー・サッチン
浅野和之 …センゴク、エンポリオ・イワンコフ、シルバーズ・レイリー
【物語】(チラシより)
大秘宝ワンピースを探す航海の途中、海賊を取り締まる海軍との戦いの中で麦わらの一味は散り散りになってしまう。1人になったルフィーは白ひげ海賊団の一員だった兄エースの処刑宣告の知らせを聞き、海底監獄に救出に向かう。瀕死の重傷を負いながら、侵入不能の監獄を突破するルフィーだが、エースは移送されてしまった後。
そして、エースを公開処刑しようとする海軍と、救おうとするルフィーや白ひげ海賊団との間で壮絶な決戦が繰り広げられる…。
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...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。

ムスコ2に頼み、今回の作品の「ワンピース:頂上戦争編」をTSUTAYAからレンタルしてきてもらった際の彼の発言は、『マンガが原作の作品で歌舞伎?って言われているけど、特にこの頂上戦争のところは、歌舞伎化に適している気がする』でありました。
歌舞伎役者が見得を切る、傾く(かぶく)、といった歌舞伎につきもののセリフっぽい場面が結構あるのです。(マンガゆえに表現もオーバーに描かれていますしね)

猿之助は、今回の企画の立案〜演出を担当しているということもあって、主役のルフィーではあるのですが(もちろん、宙乗りは彼のみで、しかも一往復半もの大サービスでした会場、
[E:up]大盛り上がり)、全体的には、ボア・ハンコックとの早変わりを一番の見せ所、という感じにして、ルフィーだけだと狂言回し的存在に見えました。

そもそもルフィーって、刀とか持って戦わないし(ゴムゴムなので素手で戦う)、手が伸びるのは、黒子の皆さんによるアナログ〜な方法(楽しく笑えます)、またはプロジェクションマッピングで戦ったり、飛んだり、凍ったり、でありました。

今回の役者さんで、大発見、は坂東巳之助くん。
この人の、役への「成り切りレベル」は、表彰ものだと思います。特に、ボンちゃんの役…ボンちゃんはオカマという設定なのですが、(原作では、ルフィーと敵対していて、その後、紆余曲折あって、硬い友情が芽生えるのです)、原作読んでて一番好きになった登場人物が実はボンちゃんでした。それを、原作通りにやってのける己之助くん(声がまたそっくりだったそうです、喉痛めなかったかな?)彼の文字どおりの「熱演」に、父親の故、坂東三津五郎さんと母親の元宝塚スター、寿ひずるさんの「DNA」を思わずにはいられない!!才能って「点火」するのかもしれないですね。
修学旅行の生徒たちの言葉を借りれば「坂東巳之助やばすぎ〜」
本水での演技、花道での飛び六方、この手の演技がよく似合う役者さんに育っていく予感?。

他にも、インンタビューで「ワンピース大好き」と答えていた中村隼人くんのサンジとイナズマ(水の中で大奮闘)も良かったし、福士誠治くんのエースも動き出したらカッチョいい〜

そして、若くないけど、惚れ惚れする役者さんが、浅野和之さんのイワンコフでした。マンガよりもさらに強烈な印象ダンスもダジャレもアドリブも、あの姿(オカマたちのトップ)で演じられたら笑わずにはいられません。空飛びルフィーとクジラが宙を舞う時間、会場には役者さん方が通路に繰り出して、観客とハイタッチ(通路側に座りたかった〜)浅野さんとハイタッチしたかったよ〜〜

吹雪が舞う中での戦いの場面では、ワイヤーの使い方が上手く、役者さんが飛んでくるような錯覚を起こして声をあげそうになった私
[E:sweat01]、大量の本水、本火、火炎・・・海賊、頂上決戦、という材料があったためか
…スーパー歌舞伎、の名にふさわしい舞台でした。白ひげ(右近さん)は、3幕のみ出演、歌舞伎役者スタイルをキープし、義経千本桜の知盛&殺されるところは弁慶??の演技でこの話にバッチリ合うことこの上なく、市川笑三郎さんのニョン婆もちゃんとギャグ言ってました(笑)
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衣装とメイクが原作に忠実=激似、なのは己之助くん、隼人くん、浅野さん以外にも
市川猿弥のジンベエ、市川男女蔵のマゼラン、市川猿四郎の黄猿、市川寿猿のアバロ・ピサロ。本人はもとより衣装係さんの熱意が感じられます
(拍手)
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ONE PIECE序章の声は、中村七之助さん、と知っていながら、「今回も阿弖流爲と同じくイヤホンガイドが無くて幸せ〜」などの気持ちからボンヤリ聞いてしまいましたが(汗)
また、音楽(主題歌以外の演奏)では、作曲&尺八がイケメンの尺八奏者:藤原道山氏でした。



10月のチケットが葬儀と重なって行けなくなっても、こうして見ることが出来たのはロングラン公演のおかげです(二ヶ月公演に「感謝[E:heart04] 」) 。
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11月のプログラムには、1幕見開き1ページX3幕分の、舞台写真のページが加わっていました(嬉々)
今夏、見た劇団新感線で、「ワンピース、歌舞伎でやるって大丈夫?」などとちょっと悪意がにじむようなくすぐりがあったけど、猿之助丈「してやったり(大見得姿!)」ってところかな。