2015/12/09
師走の街並み、写真に撮っているようで以外とありません。
「9000キロも離れた2つの国は、何故深い絆で結ばれたのか?そこには世界史上類を見ない、感動の秘話があった」
というキャッチコピーの映画 「海難 1890」
外出のついでにレディースデーで鑑賞。
監督:田中光敏
脚本:小松江里子
出演:内野聖陽、ケナン・エジェ、忽那汐里、アリジャン・ユジェソイ、夏川結衣、竹中直人、笹野高史、小澤征悦、宅間孝行、大東駿介、渡辺豪太、徳井優、小林綾子、かたせ梨乃、永島敏行 他
☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆*
あらすじ (映画館発行のチラシNAVI より)
1890年の和歌山県紀伊大島樫野(現:串本町)。この地に暮らす田村元貞(元紀州藩士の医師=内野聖陽)は、貧しい者を親身になって診察することから村民の信頼を集めていた。彼の傍には許嫁を海難事故で亡くしたショックから口がきけなくなったハル(忽那汐里)がいつも助手として付き従っている。同年、日本への親善使節団としての使命を終え、帰路に着いたトルコのエルトゥールル号は台風に遭遇した。船は樫野崎沖で沈没。島中に響き渡る爆発音を聞いた住民たちは、漂着した膨大な数の死体と船の残骸を発見する。住民総出で救出活動を行い、田村とハルも救護所で怪我人の手当てに追われる。そこへ運び込まれた海軍機関大尉のムスタファはハルの懸命な心臓マッサージで息を吹き返した。 この大惨事の中、自分が生き残ったことに罪悪感を覚えて苦悩するムスタファは、やり場のない怒りを田村にぶつける。田村は漂着物を綺麗に磨いて、母国の遺族に返そうとする村人たちの姿をムスタファに見せ、彼の胸には「人を想う日本人の深い真心」が刻まれた。そして物語は、1985年のイラン・テヘランへと移る。すべての飛行機を無差別攻撃するという宣言下のもと、窮地に陥った日本人(215人)を救ったのは、ムスタファから真心の歴史を受け継いだトルコ人だった。
...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。
以下、ネタバレあり。
この映画を見た映画館では、1人で観に来て、ボロボロ泣ける、という映画に年に1度くらい遭遇するのですが、今年はどうやら「海難 1890」の模様。
125年前の海難事故と35年前のイランイラク戦争開戦時にテヘランから日本人がトルコ航空機によって救出された、いずれも史実をベースにした映画。
映画は史実を元に作られていますが、ドキュメンタリー調ではなく、小説ちっくな展開です。
冒頭にエルドアン大統領のスピーチがありますが、安倍首相のはありません。
先月から、トルコとロシアの関係が最悪になっていますが、その影響とかあるのかな⁉
[E:ship]
エルトゥ―ルル号
今の時代なら老朽化した船で遠路はるばる、なんてあり得ず。気象情報も豊富ゆえ、出港、ありえません!という状況設定(トルコ人には台風の怖さが判らなかったのだろうけど、明治政府の警告とかも無視して出航したらしい。台風未経験の人たちは、過ぎてしまえば海が嘘のように穏やかになることを知らないんだろうな、早く帰りたい気持ちは判るけど急いてはことを仕損じる❗(などと、今の時代の目線で評価するのはナンセンスですが[E:sweat01])
[E:ship]
とこんな感じで、始めのうちは、ちょっと作られ過ぎの感があるような気がする、などと違和感抱きながら見ていたのでしたが、主人公の医師が魅力的なあまり(内野聖陽さん)、グイグイ引き込まれて行き、途中から涙腺が緩みっぱなしでした。昔のお医者さんは、大病院など無いから、個人経営の診療所を切り盛りしている形ですが、そうなると、単に患者の治療をしているだけではなく、判断力、行動力、的確な診断と処置、経済的な問題、等々いろいろな資質が同時多発的に求められますが、それをこなせる田村(内野聖陽さん)医師、カッケー[E:heart04][E:heart04]。(知り合いが医師として働いているけれど、良い職業だなあ、と改めて思う。)
寒村の診療所に、当時でもそうどこにでもありそうにない?地球儀が埃もかぶらず置いてあったり、明治22年の和歌山県の離島の医師が、英会話堪能だとは(いずれも可性としてはあり得ても)素直に思えず、また、トルコの海軍エリート(大尉)も英会話が身に付いているなんて…(隣国のドイツ語の方がまだ現実味があるけど)
そんなことも、内野聖陽さんの無駄のない誠実な英語と適度に上手い発音(あえてそう演じているのでしょう)を聞いていたら、どうでも良くなってしまいました。[E:smile]
そしてまた、この島の人々がまた、おもいやり溢れる気持ちの綺麗な人々です。村民たちは総出で救助・看護活動に奔走し、少ない食べ物や衣類を言葉も通じないトルコ人乗組員に惜しげもなく提供するのです。村長(笹野高史さん)が海難事故で亡くなった500人以上の棺桶を手配しようと頑張る件も
日本人が持っている(いた?)といわれる、「思いやり」や異国、他宗教に対する寛容さが感じられます。
貧しい村の人たちだからこそ、困っている人のために全力で取り組むし力を合わせる団結力も強いのかも(そうしないと生きていけない切迫した現実がある)
[E:airplane]
95年後に、今度はトルコが恩返しをするという史実にも、泣けました。
トルコ航空の救援機の操縦士を募る場面で、サッと大多数のパイロットが挙手をするシーンとか、これが逆の立場だったら、JALの反応はどうなのかしら?(文字どおり命を賭けた運航です)
[E:happy01]
映画はエンドロールに、実写のイベント=子供たちを含む地元の人々が「トルコ軍艦遭難慰霊碑」を掃除する映像で終わります。拍手(今でも5年ごとに慰霊の大祭が行われているそうです)
朝日新聞の映画に関するインタビュー記事で知りましたが、この海難のあった日(9月16日)は、1968年9月16日生まれの内野聖陽さんの誕生日でもあるそうです。
コメント
コメント一覧 (2)
内野聖陽さん、本当にこういう役がぴたりとはまってますね。大学時代は英語劇をされてたとのことで、もともとは堪能なのかも[E:sun]次の大河では徳川家康。楽しみです[E:lovely]<br />
</p>
nyonyakato
がしました
まあ、滞在先の国と日本の関係にもよるとは思いますが<br />
なんというか、外務省も日本国政府も、ため息が出る感じでした。<br />
自分の身は自分で守らないと・・・という意識は高まって<br />
良いかもですが[E:sweat01]</p>
<p>内野聖陽さん、絵も上手だし多彩ですよね。</p>
nyonyakato
がしました