2017/01/22
壽新春大歌舞伎、三代目 市川右團次 と 二代目 市川右近 襲名披露公演の
昼の部、見に行って参りました。
チケットサイトで見に行けなくなった方の分を定価以下(定価マイナス➖700円=¥2,300)で譲っていただき、見切り席ではありましたが(そういう事情だからの値段)、宙乗りを見るにはバッチリの3階席右の6。
開演前に舞台を見下ろして撮っておいたスナップがこちら。(天井はバッチリ見えま〜す笑)
本日の公演は日曜日の11:00開始。そんな曜日と時間帯の関係もあるのか(ないのか)な?幼稚園〜小学生ぐらいの子供を連れた親子連れも含め多勢の観客が、入場前にいたるところや入場後のロビーで写真を撮ったりしています。(これって、右近ちゃんの襲名披露だから特別?)
着物を着た女性たちも多かった(トイレ休憩に気づく)。これもお正月だからなのでしょうか?
昼の部は、通し狂言雙生隅田川(ふたごすみだがわ)の4幕6場
近松門左衛門による人形浄瑠璃が原作で、江戸時代の小説「角田川(すみだがわ)」を素材に、人間関係を複雑にして怪奇性とスペクタクル性を強めた作品。
今回は、「筋書き」を9日夜の部を見た際に購入してあったため、じっくり読み込んで行き、予習バッチリ、「筋書き通りに喋ってる」などと当たり前なことに感心しながらの観劇。
序幕の第一場で、早速、右近ちゃんは早替り(双子の松若丸から梅若丸へ)を披露。
早替りは、その後終盤で、もう一度(梅若丸→松若丸へ)がありました。今週金曜日が千秋楽だけに、もう堂々とした演技振り。一人二役ゆえ、台詞も2倍、子役特有の高い声ですが、延々と喋るのは凄いです。四代目猿之助さんが10歳で演じた役だということで、ますますスゴイ。
3階席から舞台を見ると、当然ながら見下ろす形になりますが、舞台も花道も見下ろすことで、役者がたくさん出ているときは、その立ち位置や動き方がよくわかる[E:flair]
序幕第一場で門之助さん扮する吉田少将が殺される場面の10羽のカラス天狗などは、見応えある動きとともに位置どりが綺麗。同じように、花道も、役者さんが見得を切る位置から引込みまで、とかこの道に数人が縦に並んで何かをするときも、上から見ていると「まさに見物人気分」
また、歌舞伎の場合は上演中、劇場内が完全に暗くならないので、3階席に多く場所取りをする(らしい)「大向こう」の方達を、見ることができました。今日は、お正月で日曜日、襲名披露ということもあるのか、ご祝儀の掛け声?「○○屋[E:sign03] 」とか例えば市川猿弥さんなら「エンヤ[E:sign01] 」のような、下の名前を連呼する贔屓の方も。
吉田家の執権役で出ていた市川海老蔵さん、9日の夜の部よりもさらに顔がホッソリ見えます。声は良い、そして斜め上から見下ろす顔立ちは、お父さんの團十郎さん(の若いころ)に恐ろしいほど似ていました。
班女御前(梅若丸&松若丸の母親)役の猿之助さん、お母さんらしさ全開で、安定しいて見応えあった〜。今までみた女形の猿之助さんは、ややカッコいい姉御肌のアラフォー?みたいな役が多かったので、こんなに優しいお母さん役は初めてでした素敵。
序幕の第二場で、中村米吉くんと市川中車さん、二幕目で海老蔵さん、がそれぞれ活躍し、三幕目の終わりが、3人揃っての宙乗り(市川右團次・市川右近ちゃん・猿之助さん)で盛り上がり、大詰めの最終幕に本水をたっぷり使った、琵琶湖鯉つかみを持ってくるという、クライマックスに被さるようにまたクライマックス、という趣向は、これを澤瀉屋っぽいと言うのでしょうか本当に楽しく見終わる歌舞伎でした。
3階席の一番右端(3階右の1)という席から、終演後、空席になったところへ行き撮った写真がこれ。(このように立ち上がればほとんど見える場所なのに…なんだか勿体無い「座席の設営」だと思いました。)
市川右近ちゃんは、この春、小学校入学だそうです。澤瀉屋の方針は「学業優先」なので、この先しばらくは舞台にたつ回数が激減するのかもしれません、が、スーパーな子役だけに、大切に育ててもらって、魅力ある歌舞伎役者さんに育ってほしいものです。
3階席、はオペラグラス必携ですが、それでも結構楽しめた昼の部でした。
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