2017/03/04
夕方6時からは、シアターイーストにて、三谷幸喜氏の最新作「不信」(英語タイトルは、Neighbors でした)を観る。
作・演出 三谷幸喜
出演: 段田安則 優香 栗原英雄 戸田恵子
チラシにあるキャッチコピーは「人間は、 笑えるほどに、愚か」
「普通の日常に起こった小さな出来事。それは小さな嘘から始まった…」
とあり、この舞台は、ジャンルで言うと、
「コメディ」か「サスペンス」か「不条理劇」
に該当するらしく、一気にまとめて「不条理サスペンスコメディ」??だそうです。
(あらすじ) とある町のマンション(庭付きメゾネット型?)。戸田恵子&栗原英雄夫妻の住む家の隣に、優香と段田安則夫妻が引っ越ししてくる。両家ともに子どもがおらず、戸田&栗原夫妻は、「オサムシ」と言う名前の小型室内犬を買っている。
ある日、隣町のスーパーで優香が、「陳列棚から商品を万引きしている」戸田(隣人の奥様)を見てしまい、それを夫(段田)に伝えるところから、話が展開速度を上げていく。
嘘…。きっと誰もが人生の中でついてしまうもの。
今回の三谷幸喜が描く新作は「嘘」からはじまるサスペンス。
ひとつの小さな嘘が、さらなる嘘を引き起こす。
坂道を転がるように暴走を始めてしまう嘘。
その結末は、誰も予想できない。
狂言、虚言が巻き起こす悲喜劇。
人はなぜ、嘘をついてしまうのか。自分のため?ひとのため?それとも…。
これはコメディかサスペンスか、不条理劇か、不条理サスペンスコメディか?三谷幸喜の最新作!以前から、ウソや内緒ごとからとんでもない展開に発展していくシチュエーションコメディ、は三谷幸喜氏の真骨頂だが、今回は「悲喜劇」となっているところが特徴
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筋書きパンフレットを購入しなかったため、登場人物の名前が思い出せません[E:sweat01]
飼っていた老犬の名前は「オサムシ」(劇中で老衰で死んでしまいますが、とても獣臭い、という設定)
今回は、マンション(長屋風?)の2軒の家庭が舞台だったのを、上手に生かした舞台設定。劇場中央に舞台を設け、両端がそれぞれの家のリビングボード。窓はパントマイムの要領で開け閉めしていました。そして、場面展開に大変便利に使っていた舞台上の小道具、が「椅子」6脚(といっても脚なし椅子でしたので6個、という表現の方が似合う黒い「千歳飴をカットしたような」椅子)でした。
開演前から、舞台のセットは丸見えで、その椅子6個は、舞台の中央に集合していましたが、会場が暗転して、役者さん(段田安則さん)が出てくる前に、遠隔操作でそれぞれ動いているのでした。この椅子6個、自由自在に劇の間、かなり頻繁に移動します。ザザーっという音、がサスペンスな感じを盛り上げてもいました。
この椅子6個が遠隔操作で動き回り、椅子でありながらテーブルになったり、家具のようなポジションになったり、長椅子風に扱われたり、とまるで落語の扇子と手拭いのような働きが、とても印象に残りました。リモコンの電波がどのくらいの距離まで大丈夫なのか判りませんが、小劇場ならではの面白さかもしれません。
肝心のストーリー展開は、三谷幸喜さんの「ラジヲの時間」を思い出させるような、次から次へと(犬まで巻き込んで)展開があり、最後は、ゾゾゾっとする終わり方でした。他人の詮索が引き金になってしまった「墓穴」。文明が進んでも、人間って本質的にこんな生き方しちゃうんだなあ、と「愚かさ」を噛みしめました。
三谷幸喜さんは、演じる役者さんに脚本を「宛て書き」するので有名ですが、今回、栗原英雄さんだけ知らないなあ、と思ったら、なあんだ、この方、昨年の大河ドラマ『真田丸』で、真田昌幸(草刈正雄)の弟役(主人公 幸村の叔父)の方でした。(あの、テキパキと仕事の出来るかっこいい叔父さんです)ちょっと強面系?ですが、私自身は草刈正雄さんよりタイプだなあ。劇団四季出身のようで、色々こなせる役者さんだと思われます。
優香さん、実生活で新婚さんだからか、ビューティフル[E:heart04][E:heart04]
彼女の初舞台(2014: 酒と涙とジキルとハイド)を、見に行ったことがありますが、
あれから約3年。もう安心してみていられる舞台女優さんです。彼女の舞台へのコメント(ネット)では、ベテランの方々との共演でとても緊張しています、とありましたが、プレビュー公演でも、セリフバッチリでした。隣人役の戸田恵子さんとの会話が、ちょっと嫁と姑っぽくはありましたが。
戸田恵子さんは、アラ還のお年頃なのに、リンとしていてカッコいい!!
怖い役柄でもあったので、笑わない顔、無理に笑った顔(全て演技)は、どれも怖かった。(こんな人が隣人だたら、怖くて顔を合わせられない。目とかみられないです[E:sweat01])
この4人の役者さんの中では、一番年上(主役)の段田安則さん。
この舞台があるシアターイーストは地下1階だけど、2階のプレイハウスで上演中の(私が先ほどまで観ていた)「足跡姫」作・演出・出演もしている野田秀樹さんが率いていた「夢の遊民社」の看板俳優さんだったけなあ〜(楽屋とかでお顔合わせたりしているのかなぁ)などと薄ぼんやり考えていました。いずれにしても、60歳を超えた二人がともに活躍している、というのは良いことですね。
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