2018/07/17

 自分にご褒美!で出勤前の時間を使って映画館へ。
ロードショーも終盤になると上映時間帯が変わってくるので、第一候補は見送り、その次に見たかった映画です。
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 連日の猛暑で外気温は暑い!、それに反して映画館は涼しい(シネコンの中でもコンパクトな部屋に観客20人足らず)、しかし上映作品は思い切り暑苦しい[E:smile][E:sweat01][E:sweat01]。
舞台作品を映画化したもので、監督は戯曲の作者と同一人物。観たかったけれどチケットが取れなかった作品です。
焼肉ドラゴン
原作・監督・脚本 鄭義信
キャスト: 真木よう子、井上真央、桜庭ななみ、大泉洋、大谷亮平、根岸季衣、宇野祥平、大江晋平、イ・ジョンウン、キム・サンホ 他
( ^ω^ )
 映画について述べる前に、数々の受賞歴のある舞台版「焼肉ドラゴン」について。
舞台の方は、初演が2008年、再演が2011年、三演が2016年で作品には「読売演劇大賞」と「朝日舞台芸術賞グランプリ」が、作&演出の鄭義信氏には「紀伊國屋演劇賞」「鶴屋南北戯曲賞」「芸術選奨文部科学大賞」が授与されています。
圧巻の舞台作品、ということです。チケット完売で取れませんでした(上演場所は家から一番近いのに…[E:bearing])
 それを映画化したらどうなるのか?という興味と、役者揃いの出演者に惹かれて観たのでした。
映画の解説とあらすじ(ホームページとWikipediaより)

鄭義信作・演出による舞台「焼肉ドラゴン」は朝日舞台芸術賞グランプリ、読売演劇大賞および最優秀作品賞など数々の演劇賞を受賞。熱狂的な支持を受け2011年・2016年と再演を重ね、多くのファンを魅了しました。そんな演劇界では一流の演出家であり、映画界では『月はどっちに出ている』、『血と骨』などで脚本家としも名高い鄭義信が本作では初監督に挑みます。

そして、長女・静花役に真木よう子、次女・梨花役に井上真央、三女・美花役に桜庭ななみと美人三姉妹が揃い、静花への思いを秘めたまま梨花と結婚する男性・哲男に大泉洋など日本映画界を代表する豪華キャストが集結。さらにキム・サンホ、イ・ジョンウンら韓国の名優が我が子や店に集う騒々しい客たちを、いつも温かなまなざしで優しく包みます。

「小さな焼肉屋の、大きな歴史を描きたい」と語る監督の言葉通り、70年代の時代の記憶、人々のぬくもりが鮮明に蘇り、明日を生きるエネルギーで溢れる人生讃歌の物語に仕上がりました。

(あらすじ)*舞台版のあらすじであり、映画では時生の亡くなり方など少し異なる部分あり

金龍吉は第二次世界大戦に従軍して左腕を失い、四・三事件で故郷の済州島を追われて来日した高英順と再婚する。龍吉は長女・静花と次女・梨花、英順は三女・美花をそれぞれ連れており、二人は国有地を不法占拠した集落で焼肉店「焼肉ドラゴン」を開業し、やがて長男の時生が生まれた[15]

作中では1969春から物語が始まり、中学生となった時生が「僕はこんな町大嫌いだ!」と屋根の上で叫ぶ[16]。梨花は李哲夫と結婚パーティーを挙げようとしていたが、区役所の窓口で担当者と哲夫がケンカして婚姻届を提出できなかった[16]。夏になると国有地から立ち退くように一家は通知を受け、有名私立中学に通う時生はいじめにあって不登校となる[16]。哲夫が働かないこともあって梨花は立腹し、かつて付き合っていた静花の事をまだ好きなのではないかと責める。これを気にした静花は尹大樹と付き合うが哲夫はそれでも好意を捨てず、梨花も常連客の呉日白と関係を持つようになった[16]

いじめが続いて時生は失語症となり、美花は勤め先のクラブの支配人の長谷川との不倫が明らかになる[16]。冬になり静花と大樹は婚約したが、そこに哲男が現れて静花に一緒に北朝鮮帰国事業で移住する事を求め、静花はこれに応じる[16]留年した時生に対してそれでも学校に通うよう龍吉は説得するが、時生は屋根から飛び降り自殺をしてしまう[16]1970になり、妊娠した美花と結婚するため長谷川は妻と離婚した。土地の収容に訪れた公務員に、龍吉はこの土地は自分が買ったものだと主張し、感極まって「戦争でなくした腕を帰せ」、「息子を帰せ」と叫ぶ[17]

 

1971春、ついに店は取り壊される。哲夫は帰国事業で二度と再会できなくなる未来を暗示するように記念写真をしつこく撮り[17]、梨花は呉日白と韓国へ移住、三女の美花は長谷川と日本でスナックを経営して一家は離散する[16]。龍吉と英順はリヤカーに荷物を載せて去り、死んだ時生が屋根の上に現れて「アボジ!オモニ!本当はこの町が大好きだった!」と叫ぶ中で桜の花びらが降ってくる[18]

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜
 冒頭シーンとエンディングのナレーションは、長男の時生くんです。これは舞台版と同じにしているようで、ラストシーンの夫婦2人は、まるで舞台っぽい光景とセリフと動作でした。今回、あらすじを敢えてウィキペディアから引用したのは、映画の公式サイトなどは、好意的にまとまっていて物語の暗さやダメダメさがわかりにくいと思ったからです。
 冒頭から非常に騒がしい光景が延々と続く、うるさく、面倒臭く、一見はちゃめちゃ。その中心人物でもある母親(オモニ)は、実はあたたかくて優しい人物でもあります(だんだん判ってくる)が、とにかく、日本人とは違う!泣いたり怒ったりがストレートに爆発する上に、大阪という場所柄もあって、日本語と韓国語と大阪弁が飛び交う!!スゴイです。実際にこんな場面に遭遇したら、私もドン引きだろうなあぁ、時生くんが「僕はこの街が大嫌いです」というナレーションに私も1票[E:happy01]。
 1969年から1971年という高度成長期の大阪、1970年は大阪で万国博覧会が開催され映画の終盤で、長女次女がそれぞれの伴侶と一緒に万博見物に出掛ける設定でもある。長女は苦難を抱え、次女との間には葛藤もあり、三女は三女で別件の「嫉妬に耐えなければならない」事情を抱え、長男は追い詰められて失語症…。問題山積みの家族です。タイトルの焼肉ドラゴンのドラゴンは龍、店主の龍吉さんのお店だからそう呼ばれていますが、今風の焼肉店というよりはホルモン屋。三女の結婚が決まろうとする時に、父親として長い独白シーンがありますが、これには胸を打たれると共に、在日コリアンはどうして在日なのか、がよくわかりました。1947年の済州島4,3事件が大量の難民を作り出したこと。南北朝鮮紛争の余波で祖国の村・家・親戚家族を失ったこと。龍吉は太平洋戦争に駆り出されて片腕を失っていること…。戦後のどさくさで、詐欺まがいの形で「醤油屋のさとうさんから買った」という焼肉店の土地は国有地であり、お店は「不法占拠」で立ち退きを強いられる。龍吉さんの息子への愛情は、結果的に虐待にも等しく、それに気付かない(夢中で生きていて気づけない)彼には憐れみと苛立ち(このままだと時生くん壊れちゃうか破綻しちゃうよ!)を覚えましたが、それ以外の点では、何故かだんだん龍吉さんが好きになっていく自分がなんとも不思議で仕方ないのでした。そしてこの夫の影響で、直情的な妻=娘たちの母親 に対しての印象も終盤に向けて徐々に良くなっていくのでした。 最終的にこの一家はそれぞれの伴侶と共に離散していきます。
 哲夫は自称インテリ在日コリアン、でだからこそ北(北朝鮮)に移住願いを出します。美人だけど、身体に障害を抱えどこか薄幸そうな静花。退去の日、カメラ持参でやたらと写真を撮ってた哲夫の姿を見た際、直感的にこの2人は二度と日本には戻れないのだろうと感じた次第。猥雑な面をもつ次女夫婦の韓国暮らしもどうなんだろうなぁ(当時は独裁体制で経済的にも貧困国だった)。龍吉の長い独白の中で、彼は、娘たちがみな「しわわせに(幸せ)になって欲しい」と「しわわせ」発言を何度か繰り返していたことが私の予想に対してとても引っ掛かる言葉になりました。(亡き人となった時生くんの「僕はこの街が好きでした」発言にも違和感、当時の13~4歳の男の子ってそんなもんなのかな)。でも、役者さんたちの演技は皆上手でした。このメンバーで舞台版とか上演してくれたら是非観てみたいです!
 映画と舞台(舞台は観ていないのだけど)、似ているようで非なるもの、と感じた映画。秋には、黒澤明監督の映画「生きる」、を舞台化(ミュージカル)にしたものを観に行く予定なのだけれど、さて、今度はどうなのかな〜[E:sign02]
 
 
 
 

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