2018/07/26

Dsc_0699
本年のカンヌ映画祭最優秀作品賞(パルムドール)受賞、話題の映画
やっと見ました(家の人が見に行きたいと言いながらなかなか予定が立たず今日2人で行き、やっとこさ実現という運び[E:smile])
万引き家族
原案・監督・脚本 是枝裕和
音楽 細野晴臣
キャスト: リリーフランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、片山萌美、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林 
解説とあらすじ(シネマトゥディ、映画レポート/ 映画.com  より)
[解説]
『誰も知らない』『そして父になる』などの是枝裕和監督による人間ドラマ。親の年金を不正に受給していた家族が逮捕された事件に着想を得たという物語が展開する。キャストには是枝監督と何度も組んできたリリー・フランキー、樹木希林をはじめ、『百円の恋』などの安藤サクラ、『勝手にふるえてろ』などの松岡茉優、オーディションで選出された子役の城桧吏、佐々木みゆらが名を連ねる。
[あらすじ]
治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は万引きを終えた帰り道で、寒さに震えるじゅり(佐々木みゆ)を見掛け家に連れて帰る。見ず知らずの子供と帰ってきた夫に困惑する信代(安藤サクラ)は、傷だらけの彼女を見て世話をすることにする。信代の妹の亜紀(松岡茉優)を含めた一家は、初枝(樹木希林)の年金を頼りに生活していたが……。
*映画レポートより抜粋(矢崎由紀子氏による)

 おそらく是枝裕和監督作品の中では、「誰も知らない」の遺伝子をいちばん多く受け継いでいるだろう。しかし、児童虐待から独居老人まで、いまどき日本の社会問題を6人の登場人物に背負わせた群像劇でもあるこの映画には、さらなる是枝的要素が混ざり合っている。子どもたちを愛し、愛される親になろうと奮闘する治と信代(安藤サクラ)の物語は、「そして父になる」の続編だ。また、法律的な善人が犯す悪(少女の親による虐待)と、法律的な悪人が成す善(治による虐待児の保護)を対比させた点は、「三度目の殺人」の流れを汲んでいる。まさしく集大成だ。

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 パルム・ドール作品賞を獲得するのには、役者の名演技が欠かせない訳で、この映画は、主役の家族6人がそれぞれにハマり役だったと思うけれど、その中でも秀でていたのは、安藤サクラさんと樹木希林さんの2人。是枝監督率いる「是枝組」という映画作成スタッフ集団が創り出してくれた空気の中で「呼吸するように演じられた、感謝」とインタビューで答えているサクラさ[E:sweat01][E:sweat01]んの言葉通り、全編通して「演じていないかのよう」な母親ぶり。池脇千鶴が刑務官になっての取り調べ室での対話場面は圧巻で、胸が熱くなりました。樹木希林さんの「おばあさんぶり」も安定の素晴らしさ!!。先月観た「モリのいる場所」で演じた熊谷守一の妻役と年齢的には余り違わないだろう外見にも関わらず、表情、セリフ、ふるまい(食べ方やパチンコ店での細かい演技、品のない感じ)が、映画によって全然違うので恐ろしいほど演技上手だと思いました。(前歯も無かったし[E:coldsweats02]
 この家族の人間関係(実は誰1人として血の繋がりのない6人だった)は映画の終盤に続々と解明されていくことになるのだが、この6人の共同体は、家屋の持ち主のおばあちゃん(樹木希林)を支えるようにしながら本当の家族のように「振る舞って」いる。がしかし、深い絆は心身ともに無いため、おばあちゃんの死あたりから残された5人に逆風が襲いかかり、「家族のような形」はズタズタになって行く。全員で海に行ったり、隅田川の花火を(音だけ)家の軒下から皆で見上げたり、貧しいけれど皆で座卓囲んで食事したり、というような「いかにも仲良し家族らしい」光景は
一瞬の花火にも似たはかない美であり、その空気は暖かいけれどやはり不幸の香りが漂っている。
 子供は2人出てくるが、5歳の女の子は共同体の内部に安住しようと順応して行くのに反比例するかのように、おそらく通っていれば小学校高学年位の男の子は、「万引き」への罪の意識と思春期ならではの感情などからくる共同体の外への意識から出た行動が事件と事故に発展し、警察やマスコミに知れて社会に曝される。
 悩める万引き少年役を演じた城桧吏くん、良かったですし、5歳を演じた佐々木みゆちゃんのラストシーンの表情には旋律が走るような感覚を味わいました。けれど私は、この2人を見ているうちに、40年ぐらい前に見た「鬼畜(松本清張原作)」という映画を思い出していました。主人公役の緒形拳に捨てられる(日本海側のどこかの海岸から落とされる)5歳の息子を演じていた岩瀬浩規くんという子役のことをずっと考えていたのです。万引き家族の子どもたち同様、「親や境遇を選べない不幸を背負わされる子ども」の役では、私の映画鑑賞歴史上の涙を絞られた子役第一位であります。今回の5歳児と大きく違うのは、血の繋がった父子だった(でも妾の子で父親と息子の接点は限りなく少ない)という点。父親(緒形拳)は息子の身元が割れないよう証拠隠滅を計り海に落としますが、奇跡的に助かった息子は、ポケットにあった石盤のカケラから捜索が進み父親が捕まります。父親に対面した息子は、「ボクは、間違って崖から落っこちちゃったんだ。このオジサンは誰だかボクは知りません」と嘘をついて父親を救うのです。「このおじちゃん、知らない人」と何度も繰り返し婦警役の大竹しのぶが当惑する表情をするのですが、それに比べると、なんだろう、万引きを手伝わされる子供たちには、涙が出なかった。血の繋がりを超えた母性を演じて輝いてみえた信代役の安藤サクラがその辺を全部持って行ってしまったのかな??
 一緒に見に行ったオットは、昨今の社会問題をてんこ盛りに詰め込んでいる映画で、詰め込み過ぎてちょっとやり過ぎではなかろうか(フィクションっぽい感じが強くてちょっとシラケる)と言っておりました。(カンヌ受賞作品だから今回は見たけれど本心では「ミッション:インポッシブル/ フォールアウト(公開は8/3)」みたいな映画が見たいなぁ」とも言っていた)
遺族年金、工事現場、クリーニング店、そして風俗、皆それぞれ収入がありながら、あまりにも家は狭く、ごちゃごちゃ、貧しくて…この人たち、計画性が無さ過ぎ?とか傷の舐め合い生活が好きなんだろか?とドライな目で見るとそうとも受け取れます。
 松本清張の描いた「鬼畜」時代の子供への虐待は、目に見えやすかったしある意味わかりやすい(本妻vs妾など)構造でしたが、今の是枝監督が描く世界観は一見しただけでは「見えない」世界。社会が成熟すると、やはり一筋縄ではいかない複雑怪奇な人間関係や世の中になってしまうのかもしれないです。ある意味怖い[E:bearing]
Dsc_0700
 この映画は、ポップコーンが似合わなかった。たくさん余らせてしまいました

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